Wednesday, May 27, 2009
Sasquatch Music Festival 09
初日
バンクーバーを朝6時前に出発。途中、渋滞も無く快適なドライブで片道500キロの道のりも苦にならなかった。一昨年、去年と同様に会場から70 キロほど手前のエレンズバーグの予約していたモーテルにチェックインして会場に向かう。手頃な宿としてはこれでも一番近いので少々遠くても仕方が無い。さすがに会場に隣接するサイトでキャンプをしようとは思わないので。
会場手前ハイウェイ沿いのワイルドホースモニュメントで車を止め、眺望を楽しむ。毎年の恒例行事。今年は初めて小高い丘を昇った。
モニュメントを後にして会場に2時頃到着。
入場して1時間ほどメインステージ前の芝生で時間を潰してから、セカンドステージに移動。King Kahn and The Shrinesを観る。ごく普通のガレージロックだがライブのテンション高く、なかなか楽しめる。その後、メインステージ前に戻り、昼寝。また1時間ほどしてからセカンドステージに戻り、Sun Kil Moonのライブを堪能。同時間帯のメインステージがAnimal Collectiveであったこともあるのか、それより前にノーチェックなのか観客が以上に少ない。Animal Collectiveの音楽は好きだけれど、ライブでひたすら打ち込みを聴かされて何が楽しいのか理解出来ない。Sun Kil Moonでこの日の目的は果たした。メインステージに戻り、ありがちな男女混合大所帯バンドという印象を受けたDecemberists、そして一昨年ロラパルーザで見たYeah Yeah Yeasの途中まで見て、翌日に備えるため21時過ぎには会場を出た。
2日目
フェス3日間の中日、実質このフェスのハイライトと言って差支えは無い。
本ツアーを終えた後に活動停止を表明しているNine Inch Nails、それからオリジナルラインナップで18年振りに再結集したJane's Addictionがこの日のフィナーレを締めくくる。それに、Mike Watt & The Missingemen、そしてex-Rage AgainstThe Machineのギタリスト、Tom Morelloのニュープロジェクト、Street Sweeper SocialClubを加えて、20年余りのUSオルタナティブを凝縮し、過去、現在、未来を示したマイジェネレーション的な内容であった。
ex.Minutemen~fIREHOSEのMike Watt。50歳を過ぎてもパワフルなオヤジベーシスト。スケールを忙しく動きまくり、ハーモニクスを多様、叩きつけるようなフィンガーピッキングは非常に独特。「ロックは座って聴くもんじゃねえ」と芝生で寝そべっている観客を一喝して総立ちにさせる。
続いてメインステージに登場したStreet Sweeper Social Clubは楽曲によってはRageに近い。ここ数年各フェスティバルでライブを行ってきた再結成Rageは結局、新たな一歩を踏み出すままに終わったのか?Rageは1stアルバムがベストで、以降アルバムを出すごとに今ひとつという個人的な印象が強い。
その後、メインステージ席後方の芝生で横になってワインを飲んだり、本を読んだり、昼寝したりとまったりとしながら4時間を過ごす。
夕方、TV On The Radioのステージからライブ観賞に戻り、数曲見てからセカンドステージのこれまたお気に入りのシューゲイザーアーティスト、M83を初めて観る。何度か私の住むバンクーバーにも来ているが、他のライブや仕事と重なったりしてなかなかその機会に恵まれなかった。そしてこの日もNine Inch Nailのステージをアリーナで観るために残念だが途中で諦めざるをえなかった。これでもしかすると最後の機会となるかもしれないNine Inch Nailsはライブのクオリティが非常に高く、演奏のブレが全くと言って無い。
続いて、トリのJane's Addiction。過去数回、再結成を繰り返して来たけれど、今回がオリジナルメンバーが全員揃った17年振りの真の再結成。Nine Inch Nailの後の出番を務めることができるのかと思ったがそれは間違っていた。ボーカルでリーダーのペリーファレルの声量はエフェクトでカバーしていたものの、ギター、ベース、ドラムと4つのパートが等しくぶつかりあい類い稀なるグルーヴを生み出していた。比較してしまうと、近年ギターのジョンフルシャンテにひっぱられてばかりのレッチリとは異なり、各々のバランスが非常に良い。そして言うまでも無く、同バンドの有名曲をライブでカバーしていたペリーのお遊びバンドと全く次元が違う。いいものを観させてもらった。
3日目
午後過ぎにゆっくりと会場入り。2年ぶりにGlizzly Bearをメインステージで観る。後で同ステージに登場するFleet Foxesのようなヒーリングロック的な側面がある。脱力感にひたり、まったりしたい時はオススメの音楽だ。
その後は一旦ステージに向かって後方の芝生で横になって、ジャングルからフォークまでごった煮サウンドを展開したSantigold、そしてマドンナが監督した映画作品にボーカルが出演していたりするジプシーパンクの Gogol Bordelloを観る。Gogol Bordelloは非常に盛り上がった。トラッドなスパニッシュ音楽とパンクの融合でノリが良い。
再びアリーナへ移動し、SUB POPの若手有望株Fleet Foxesを昨年のSP20以来に観る。ニールヤング風ではあるものの、透き通った美声はまるで神の歌声のごとく心に染みる。それからまた芝生に横になり、Silversun Pickupsを観る。まだセカンドステージのトリ、 Explosions In The Skyまで2時間以上ありぶらぶらと会場内を歩き回る。トリ前のGirl Talkでは観客をステージのスペース目一杯上げて、延々とDJタイム。ステージに大勢の観客を上げるというのはそれだけで私の価値観と異なる。
Girl Talk終了後、Explosions In The Skyのメンバー自らが機材セッティングを行い、開演予定の10分前に始められるほどスムーズに完了。同バンドはインディーレーベルに属している、インストバンド。それがセカンドステージにしても、トリを務める。これがいまの音楽シーンの多様化を現しているようでもある。同バンドの音楽は文学的であり、人間の喜怒哀楽を音に表現している、そんな風に感じる。夕陽が沈みかけた薄暗い空に重なり合うギターが響き、前を向く力を与えられた。
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